8月半ば過ぎ、講演で沖縄に行く。
那覇空港、到着と同時に、日本トランスオーシャン航空の社長をしていた市ノ澤氏と会い、沖縄特産のピンクのミンサーシャツをプレゼントされる。
このシャツ、行く前から、サイズや好みの色などをきかれていたのだが、まさか、すでに出来上がっているとは思っていなかった。
早速着てみると芭蕉布のようにしっかりした布地で、しかも涼しくて着心地がいい。
講演のときも、「是非それを着て欲しい」といわれて、思いきって演壇に立ち、説明すると、みな喜んでくれた。
このシャツに四つと五つの絣模様(かすりもよう)が交互に配され、さらに百足のような経縞がある。これには、「いつ(五)の世(四)までも、百足のように、足繁くわたしのところに通って下さい」という女性の思いが秘められているとか。
いまどき、そんな優しいことを言ってくれる女性は少ないだろう。
ともかく、それを着て講演して、夜は市ノ澤氏の案内で沖縄風日本料理店へ。
それにしても、現地に行くまでは相当暑いかと思っていたら、島国で風がある故か東京より過しやすい。
夜もクーラー無しで眠れて、翌日帰ろうとしたらチャイナ航空の炎上騒ぎで、空港は騒然としている。
30分ほど遅れたが、無事帰京できて、東京でも沖縄のシャツを愛用している。
前の記事:渡辺淳一著書ご紹介ページ
次の記事:第137回芥川賞、直木賞贈呈式に出席
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。