2008年05月
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ミンサーシャツ

 8月半ば過ぎ、講演で沖縄に行く。
 那覇空港、到着と同時に、日本トランスオーシャン航空の社長をしていた市ノ澤氏と会い、沖縄特産のピンクのミンサーシャツをプレゼントされる。
 このシャツ、行く前から、サイズや好みの色などをきかれていたのだが、まさか、すでに出来上がっているとは思っていなかった。
 早速着てみると芭蕉布のようにしっかりした布地で、しかも涼しくて着心地がいい。
 講演のときも、「是非それを着て欲しい」といわれて、思いきって演壇に立ち、説明すると、みな喜んでくれた。
 このシャツに四つと五つの絣模様(かすりもよう)が交互に配され、さらに百足のような経縞がある。これには、「いつ(五)の世(四)までも、百足のように、足繁くわたしのところに通って下さい」という女性の思いが秘められているとか。
 いまどき、そんな優しいことを言ってくれる女性は少ないだろう。
 ともかく、それを着て講演して、夜は市ノ澤氏の案内で沖縄風日本料理店へ。
 それにしても、現地に行くまでは相当暑いかと思っていたら、島国で風がある故か東京より過しやすい。
 夜もクーラー無しで眠れて、翌日帰ろうとしたらチャイナ航空の炎上騒ぎで、空港は騒然としている。
 30分ほど遅れたが、無事帰京できて、東京でも沖縄のシャツを愛用している。


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渡辺淳一プロフィール

北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。

業務用プロフィール