もともと、ゴールデンウィークやお盆休みには、遠出しないと決めていた。
いつも、講演や取材旅行で出かけているので、多くの人が出かけるときは遠慮しようと思っていたからである。
だが、今回だけは高知まで出かけた。といっても30日に発って2日に帰るという、連休のなかでは比較的空いている谷間の時だったけど。
日程はまず高知へ飛び、そこから旧中村へ行き、四万十川の清流を見て、宿毛から足摺岬へ行くコースで、高知から車で直行しても3時間以上かかる。
以前から足摺岬に行ってみたいと思っていたので、ようやく念願かなったわけだが、さすがに美しくて怖い岬である。
此処に立ち尽くしていると、自殺したくなる人の気持ちもわからぬわけではない。
夜は満天の星におおわれると聞いていたが、その夜は朧月夜で星はまばら。
帰途、休憩所で「小夏」を見つける。高知特産のこの柑橘類は甘酸っぱくて上品な味わいで、わたしの大好物。先に高知出身の山本一力氏から頂戴したが、そろそろなくなってきたので箱ごと買って事務所へ送り、いまは1日1個ずつ大切に食べている。
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北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。