2007年02月
日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28      
渡辺淳一のインフォメーション
渡辺淳一の日記
渡辺淳一の書籍
渡辺淳一オフィシャルサイトのRSS
著名人.com イースピリット

鈍感力

 この2月7日「鈍感力」(集英社1100円)を刊行しました。
 これはもちろん、小説ではなくエッセイです。
 いきなり、鈍感力など、奇妙なタイトルだと思われる方も多いかと思います。しかしこれはかねがね思っていたことで、鈍感なのは生きていくうえで、強い力になる、ということです。
 たとえば会社で上司から叱られたり、なにかいやなことがあってもすぐ忘れて、前向きにすすんでいける人、肉体的にも、よく眠れて、目覚めもよく、なんでも好き嫌いなく食べて消化できる。こういう力こそ、本来の才能を育み、大きく花開かせる原動力になるのです。
 この鈍感力の最たるものは母親の子供への愛です。たとえウンチでも、子供のものなら色を見て匂いを嗅いで、さらに汚したご飯もつまんで食べることができます。たとえ子供が罪を犯しても、母親だけは許します。この大きな愛こそ、鈍感力以外のなにものでもありません。
 また、男と女の愛も見方を変えたら鈍感力で、愛する人のことなら、かなりのことでも許せます。
 これまで鈍感というと、なにか悪いマイナスイメージのものと思われがちでしたが、そんなことはありません。ひりひりと傷つき易い、鋭く敏感なものより、たいていのことではへこたれない、鈍く逞しいものこそ、現代を生き抜く力であり、知恵でもあるのです。
 この本を読まれて、自分にはどの程度の鈍感力があるのか、そしてどのように考えれば前向きに生きていけるのか。参考にしてもらえれば幸いです。

前の記事:『愛の流刑地』オフィシャル・ガイドブック発売のお知らせ
次の記事:「坊ちゃん先生」放映 2月20日21:00~日本テレビ系列 

渡辺淳一プロフィール

北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。

業務用プロフィール