この半月くらい、今度の4月23日(日)夜、放映予定の「グレートマザー」の収録に追われて落ち着かなかった。
わたしの書斎から仕事部屋、さらには講演会からパーティー、はては京都取材のついでにお茶屋で遊んでいるところまで、いいろいろ撮られたが、果たしてどこが収録されているのか。
原稿や対談は、すべてわたしが書き、しゃべったことを、再度たしかめるので安心だが、テレビの編集は相手任せなので落ち着かない。
ここにでてくる母は「みどり」といって、明治40年の生まれだが、86才で亡くなり、今年13回忌をおこなう予定である。
若いときから明るく活発で、札幌の女学生時代に、大正時代のモガ(モダンガールの略)のような帽子をかぶって、ラケットを持っている写真にあきれた記憶がある。
この母に一度、「おまえは〝女難の相がある〟から気をつけなさい」といわれたことがある。
そのときは、「まさか」と半信半疑であったが、たしかに女性にはいろいろ悩まされ、困惑したこともある。
しかしそれは所詮、自分がしでかしたことだから、「女難の相がある」といった占い師が当ったわけではなく、わたしが占い師に合わせた、ととったほうが正しいかもしれない。
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。