このところ、連日、原稿に追われている。
二十三日からの三連休に続いて、年末年始の休みに入るため、原稿を十日分くらい、早めに送らなければならない。
日頃から、締切りに追われている小生にとっては、まさに受難のとき。
とにかく、二十七、八日で大きな山をこすことになるけど、はたして無事こえられるのか。
そのかわり、年末年始は東京から一歩も外へ出ない。
いつも講演や取材などで各地を飛び廻っているので、長い休みのときは人混みを避け、さらには、このときを楽しみに出かける人たちの、お邪魔をしないように、というわけ。
そんなわけで年賀状も遅れていたが、昨日ようやく完成。といっても、年賀状に刷り込む俳句が完成しただけだけど。
毎年、一句入れる慣わしになっていて、いまさら止めるわけにもいかず、毎年、苦心するが、今回は次の一句。「新年や思うことなく髭を剃る」
ちなみに去年の句は、「恋やつれ仕事やつれで俺が春」そしてその前は、「初詣またあやまちをくり返す」だけど。
以上の二句からみると、今年はユーモアが薄れて、少し正調すぎるかも。
それにしても、そろそろ一年も終る。月日が経つのは早いと、嘆く人は多いが、刑務所にいる人にとっては一年は遅すぎる。それからみると、早いと感じるのは幸せな証しと思って、新しい年へすすもうか。
ところで、この暮で作家生活四十周年になる。この起点は昭和四十年暮れに「新潮同人雑誌賞」をもらい、それが芥川賞候補になってから。
以来、何万枚の原稿用紙をつかい、何百本の鉛筆をつかい古してきたことか。このあたりで、原稿用紙と鉛筆の供養会でもしようかな。
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作家生活40周年記念アンソロジー
『渡辺淳一自選短篇コレクション』全五巻
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。