福井県大飯市に講演に行く。
ところが、この依頼を受けたときに、福井市と、勝手に思いこんでいた。
むろん秘書のM君に、もう少しきちっときいておくとよかったのだけど。日が空いているというので、簡単にオーケーを出していた。
ところが、いざその日が近付いて仰天した。なんと、福井でなく福井県で、しかもその一番西にあり、小浜に近い。
ここまでどうして行くのか。改めて調べると、京都まで新幹線で行き、そのあと在来線で綾部へ行き、そこからタクシーを一時間半近くとばして大飯へ。
ここまで、事務所を出てから、実に六時間。むろん帰りも六時間はゆうにかかって、合計十二時間。
これだけあれば、ハワイ往復もできたかも、とあとで思ったけど。
それにしても、地図では倍近く遠い福岡へは、一時間半で行ける。
そろそろ日本地図も、平面の図形だけでなく、どこへは何時間で行けるという、時間ごとの地図を、誰かつくってくれないかな。
とにかく遠くて疲れたけど、地元の人が歓迎してくれて、夕食に食べた、ぶりの刺身と甘鯛の焼きものが美味しくて、疲れもいくらか癒された。
それに夜道の暗さも淋しさもわかって、それなりに勉強になることも多かった。
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北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。