いま、世間を騒がせている、女子高校生による母親傷害事件。
この女性の心理について、いろいろな識者がいろいろな意見をいっているが、わたしの判定は、「薬物フェチ」
さまざまな薬物を見ていると、次第にその薬物の魔力に惹きつけられ、それを体験し、さらにはまわりの小動物や、はては人間にまでつかってみたくなる。
この女子高生はこの薬物の妖しい魅力にとり憑かれて、お母さんまで実験材料にしてしまった。お母さんに特別の憎しみや怒りをもってないのはそのためで、ただ薬の効果を見たかっただけと思われる。
かつて医師だった頃、いろいろな劇薬や強力な毒性をもった菌などを眺めて、そんな誘惑にとらわれたことがあるので、そう推測するのだけど。
とにかく、おたく秀才ほど陰気で怖いものはない。
北海道生まれ。医学博士。1958年札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療のかたわら小説を執筆。1970年「光と影」で直木賞を受賞。 1980年に吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞などを受賞する。